新たにはじめたこと
小児外科・小児泌尿器科
 
     
小児外科と小児泌尿器科を標榜しました。これまでの小児(内)科に加えて、さらに幅広くお子様を診させていただきたいと考えています。
子供のからだは今まさに発育途上、大人のからだとは違っています。あらゆる臓器が発育している途中ですから、まだ未熟な状態にあり、日々成長とともに変化しています。それだけに発育に合わせて、からだの状態を良く知り、将来を見極めた治療が必要になります。お薬も処置も大人とは当然違ってきます。
これは、外科的疾患、泌尿器科的疾患についても同様です。これらの治療を専門的におこなうのが小児外科医です。
特に小児の場合、泌尿器生殖器の病気が多く、お母さん方も「これは見守っていて大丈夫なのか」「どうすれば良いか」という不安をもたれる方が多々いらっしゃいます。小児外科専門医として、そのような疑問や不安にお応えできればと思っています。
なお、かみい医院では、軽微な外傷についての処置は行いますが、骨折が疑われる場合、傷の縫合や手術が必要な場合には専門施設をご紹介させていただいております。
小さなクリニックですが、まずはなんでもご相談ください。お子様やご家族の方のニーズに合わせて、かみい医院をご活用いただければと思います。
 
  1.小児外科ってどんなことを診てくれるの?  
     

小児外科は詳しくいえば「小児一般外科」です。一般外科の受け持ち範囲は呼吸器(気管・肺など)・消化器(食道から肛門までの消化管・肝臓・膵臓など)その他のお腹の中の臓器(腎臓・脾臓など)・皮膚軟部組織(皮膚・皮下組織・筋肉など)などです。
これらの臓器の外科的な病気、腫瘍などについて、診断、重症度の評価、治療法の選択、手術の必要性について、ご家族の方とじっくり相談して診療をすすめていきたいと考えています。

以下のようなご心配はありませんか?
鼠径ヘルニア 
泣いたり、うんちの時や咳できばったりした時に、太ももの付け根の部分のどちらかが膨らむ病気で、脱腸ともいいます。手術が必要な病気です。
陰嚢水腫  
おちんちんの袋に水がたまって袋が大きくなる病気です。これは症状が鼠径ヘルニアとよく似ていますが、1才までにほとんどが治りまので、鼠径ヘルニアか陰嚢水腫かの見分けは大事なポイントです。小児外科医による診察を受けてください。
肛門周囲膿瘍(乳児痔瘻) 
母乳で便がゆるい赤ちゃんによくみられる病気です。肛門の周りが腫れて赤くなり膿を持って、おできのようになります。1歳ごろまでは一旦治っても繰り返し症状が出ることがあります。手術に至らないように、早めに膿を出す等の適切なケアが必要です。
臍ヘルニア 
いわゆる出べそです。多くは自然に治りますが、時に手術を要することがあります。また、自然に閉鎖しても余剰皮膚等で美容的に問題がある場合には、幼稚園に行かれる前に形成手術をお勧めしております。最近は絆創膏で固定する治療法も見直されております。
便秘   
離乳が完了した頃、よく硬いうんちで肛門が切れて痛い思いをすることがあります。そのため、うんちは痛い、痛いからがまんする。がまんするとうんちはますます硬くなるといった悪循環になることがあります。うんちをなかなかしない、食欲がおちてしまった、という場合は排便がスムースにいくようにして早めにうんちを出す習慣をつけることが必要です。放置しておくと、腸管の拡張を合併し、習慣化、重症化してしまいます。
また、稀ですが、生まれつき肛門が狭くてうんちが出づらい病気とか腸管の動きに問題があって便秘を生じるヒルシュスプルング病の可能性についても視野に入れて診療いたします。
“しこり”
見て触って気がつかれた“しこり”について、早急なる手術が必要か否かという点を重視し、豊富な経験と超音波検査により診断させていただきます。

その他に対象とする疾患については小児外科学会のHPを参照してください。
小児外科学会HP

 
2.小児泌尿器科ってどんなことを診てくれるの?
 
「こどもはおとなのミニチュアではない」という言葉はここでも通用します。成人の泌尿生殖器(腎臓・尿管・膀胱・外陰部など)疾患とは異なる疾患がいくつかみられます。

以下に少し小児泌尿器科で扱う病気についてご紹介します。
包皮炎 
おちんちんが赤く腫れて痛がります。ばい菌がおちんちんに付いて感染がおこる病気です。以下の包茎と密接な関係がありますし、汚れた手でおちんちんを触ったりすることでも発症します。
包茎 
小児では、おちんちんは皮を被っているのが普通ですが、包皮をむいて亀頭を露出できます。ただ、包皮に狭いところがあると引っかかってしまい、思春期になっても皮をかぶったままとなってしまいます。もし、狭いところがある場合には、小さいうちに対処した方がいいでしょう。軟膏を用いた用手拡張の指導を行っております。
尿道下裂 
おしっこの出口が本来の亀頭の先端ではなく、途中のところに開いている、先天的な病気です。尿道が短くなっているため、おチンチン自体が下方に屈曲しています。手術が必要です。
夜尿症 
いわゆる“おねしょ”です。その発症にはきわめて多くの因子が絡んでいるので、治療には時間を要します。その因子のひとつとして、膀胱尿管逆流症があげられます。まず、このような器質的な疾患の存在について評価させていただきます。次に夜間尿量の測定をしていただき、病型を判断、それに応じたお薬の服薬をおすすめしております。

その他に対象とする疾患は
水腎・水尿管症
いろいろな原因で尿の流れが悪くなり、尿路感染症を繰り返したり、結石ができます。超音波検査にて診断が可能です。手術を必要とすることが多い疾患です。
膀胱尿管逆流症
膀胱と尿管のつなぎ目が緩くなって、排尿時に膀胱に溜まっていた尿が腎臓に向かって流れていってしまいます。

小児泌尿器科学会HP